母の肖像とビートルズ

Posted on 2024-09-24 by nakajima

今回は僭越ながら、以前私(中嶋)が描いた年老いた母親の絵をアップさせていただきました。

私は母が他界して以来、1枚も彼女の絵を描いてはいない、というか描けなくなっていました。

でも最近、ビートルズの曲を聴き返してから、もう一度チャレンジしてみようかと思うようになったんです。

そう思わせてくれたのはビートルズのポールマッカートニー作詞作曲「yesterday」と「let it be」ですが以下は私の見解です。

「yesterday」は、世界で最も多くカバーされた曲としても有名で、1965年ポールが23歳を目前にして作った曲です。

「昨日まで、悩みなんて、遥か遠くにあると思っていたが、今の僕は、かつての自分とは全く違ってしまった。暗闇が自分を閉ざしている…どうして彼女は突然去ってしまったのか…」
ザックリこんな内容で、一般的には失恋の歌として知られています。

でも、実は突然母親を失った14歳のポールの心情を歌った曲だとも言われています。

「愛なんて、いつでも手に入るものだと思っていたのに…。あの時、子供だったとは言え、自分は母さんに、どうしてあんなひどいことを言ってしまったのだろう…」
こんなポールの悔恨や恋しさが実は隠されているんだろうと思います。

「yesterday」の発表から5年後の1970年に「let it be」が発表されます。
もともとは、ゴスペルで有名なアレサフランクリンに提供した楽曲。
そのためでしょうか、「聖母マリアが現れて、let it beと言ってくれた…」と言う解釈が一般的です。

でもこんな話もあります。
ある時、ポールの夢の中に母さんが現れて「大丈夫よ、ただそのままにね…(it’s gonna be OK. just let it be…)」と言って彼を勇気づけたと…。

スーパーグループ、ビートルズのメンバーであったが故に、ポールはとてつもない悩みを抱えていたんでしょう。
この歌「let it be」は、彼を救ってくれた優しい母親の言葉を世界中の人に向けて表現した曲であると私は解釈しています。

英語で作られた歌詞の内容は、きっと優しさに満ちたものなのでしょう。
でも直訳されて巷に公開されているものは、全くありがたく感じないので、私なりに以下のように解釈してみました。


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どうしたらいいか分からなくなった時、
母さんが優しい言葉で俺を助けてくれた
絶望で真っ暗になってしまった時、
母さんが目の前に現れて、
優しい言葉で俺を助けてくれた

いいから休め、もういいから休め
let it be let it be
そんなに悩まないで
let it be

ボロボロになってしまった人は
いっぱいいるだろうな…この世界に
でも、母さんは言った 
let it be

別れた人もいれば、
あの世に旅立った愛する人もいるだろう
でもいつかは会えるよ きっと
let it be

いいから休め、いいから休め
let it be let it be

そんなに悩まないで 
let it be
さぁ、あんたも言いなさい 
let it be
一緒に歌いなさい 
let it be…
ーーーーーーーーーーーー
(以上、中嶋的翻訳Ver.)

父親というものは、とかく「根性で、乗り切れ!」とか「今、頑張らないでどうするのか!」とか叱咤するものなのでしょうが、しかし
母親の優しい言葉で救われた、と言う経験を持つ人も多いのではないでしょうか?

がんばりすぎて、自ら命を立つ人も多い世の中で、この「let it be」と言う言葉は、実にお経のように唱えられる、救いのコトバなのかもしれませんね。

そして、従って…曲を作ったポールマッカートニーも含め、世の中のすべての男性は、基本的にマザコンである…

♪マザコンで何が悪い…let it be…
♪胸を張って言おう…let it be…
こう思ってしまう私なのでした♫

あったかギャラリー館長:中嶋記

 

 

 


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