我妻栄二 Agatsuma,Eiji

Posted on 2016-07-20 by nakajima

石巻市出身のデザイナー、我妻栄二氏(仙台市在住)の作品をご紹介します。
彼の手による独特の書はファンも多く、たくさんのパッケージデザインを手がけています。
日本広しと言えども、彼ほど多く三陸の商品・海産物のパッケージデザインを手がけたデザイナーはいないでしょう。

ここに紹介するのは5年前の作品で、3.11の大震災があった2011年3月から同年7月に作成されたものです。

蜂と神さま 詩:金子みすゞ 

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二

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蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

我妻氏と私は古くからの友人ですので、被災して間もなく被災状況等の情報交換をしながらおのずと日本人の気質や災害時のモラルなどを話しあったりしたものです。
震災直後、ほとんどの仕事を失ったどうしの会話の中で生まれたのがこれらの作品でした。
金子みすゞのお気に入りの詩を我流で英訳し我妻氏が書にし、宮沢賢治の詩の英訳を探し彼が書にする…。
SNSで海外から寄せられた応援メッセージに対するお礼の意味もありました。

歳月の過ぎるのはなんとも早いものですが、今年4月に発生した熊本地震では多くの方が亡くなり辛い日々を過ごしていらっしゃる事を思いながら、5年前のこの作品を見るにつけ、切なくも優しく励まされた…そんな思いが蘇るのでした。

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

–A bee and God——–
A bee is in a flower……
A flower is in a garden ……
A garden is in a wall……
A wall is in a town……
A town is in a country ……
A country is in the world……
The world is in God…..
.And… And……
God is in a tiny bee

L’Ape è dentro il Fiore
il Fiore è dentro il Giardino
il Giardino è dentro il Recinto
il Recinto è dentro la Città
la Città è dentro il Giappone
il Giappone è dentro il Mondo
il Mondo è dentro Dio
quindi, quindi, Dio
è dentro la piccola Ape.

Kaneko Misuzu

……………………………………………………………
I rely love her gentle mind.
Though,she spent the unhappy life and finished the life in youth,
she prayed the happiness of the children.
A bee must means a child.
(This was done by my friend Eiji Agatsuma ,with writing brush.)

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二

 

 

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

 

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

蜂と神さま(金子みすゞ)より 書:我妻栄二(部分)

 

 

大漁(金子みすゞ)より 書:我妻栄二

大漁(金子みすゞ)より 書:我妻栄二

雨にも負けず  宮沢賢治

雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい

雨にも負けず(宮沢賢治より)書:我妻栄二

雨にも負けず(宮沢賢治より)書:我妻栄二

 

雨にも負けず(宮沢賢治より) 書:我妻栄二(部分)

雨にも負けず(宮沢賢治より) 書:我妻栄二(部分)

 

雨にも負けず(宮沢賢治より) 書:我妻栄二(部分)

雨にも負けず(宮沢賢治より) 書:我妻栄二(部分)

 

雨にも負けず(宮沢賢治より) 書:我妻栄二(部分)

雨にも負けず(宮沢賢治より) 書:我妻栄二(部分)

(another version translated by someone…)
-Not defeated by rain-

Not defeated by rain, not defeated by wind
Not defeated by snow and heat in summer
My body is strong
No greed, no anger
Always smiling softly
Daily, four cups of unpolished rice, some miso and vegetabls,
;sustenance
Living selflessly
Look, listen, know and remember
In a small thatched hut behind pine trees in a field
In the east, tending a sick child
In the west ,unburdening a mother of sheaves of rice
In the south, consoling a dying person with words;
don’t dread death
In the north, appeasing these in conflict or suit with a word to awake
Tears flow on drouoght days
Unsteady on cold summer days
Called modest and humble monk
No prais, no attention
To be like this

 

茨木のり子詩集より(書:我妻英二)

茨木のり子詩集より(書:我妻英二)

茨木のり子詩集より(書:我妻英二)

茨木のり子詩集より(書:我妻英二)

書:我妻栄二

書:我妻栄二


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