日本画家・安住順子さんのこと
Posted on 2025-09-23 by nakajima
高校時代の私は結構まじめに絵を描く事に取り組んでいたように思うんですが、そんな高校時代、友人が彼の幼い頃からの友達を紹介してくれました。
絵に対する強い情熱を静かに燃やしてるような女性で、彼にとってはまるで兄妹のように親しい存在だったようです。
絵を描き続けることにどこか悩みがちだった自分にとって、彼女の絵に対する真摯な姿勢はとても好感が持てて、非常に印象的な存在だったことを記憶しています。
当時は女子校と男子校で、展示会とかそんな機会で会うだけだったように記憶していますが…ちなみに彼女の名前、当時は氏家順子さんといいました。
彼女は美大に進学、日本画を専攻するのですが、その後彼女の作品は河北美術展という東北を代表する場で上位入賞します。
寝そべってる2人の女の子を俯瞰で描いた作品で、私はその絵の雰囲気というか世界に感服したのを覚えています。
(ジジイくさい権威主義的な印象があったその美術展の中で、若々しくに輝いていた印象だったんですね。)…もう50年ほど前の事ですが、その絵が掲載された新聞を私は大切に保管していたものでした。
順子さんとは、高校卒業以来一度も会っていなかったのですが、家庭を持ち、安住順子に変わったと噂に聞いてからも、その作品を度々目にし、お〜!やってるな〜…と感心してたものです。
そして、9月上旬のある日、ものすごかった今年の暑さもひと段落した頃、私宛に招待状が届きました。
「きのう・今日・ASHITA 日本画展 安住順子」
順子さんが送ってくれたんですが、前出の友人が私の住所を彼女に伝えてくれたんですね。
せっかくだから一緒に行こうということで、その友人と一緒、オヤジ2人で向かいました。
松山 酒ミュージアム、という酒蔵をギャラリーにした素敵な建物で(我々が住む大崎市にあります)そこが彼女の個展の会場です。
私を見るなり「全然変わってないわね〜」というお世辞で順子さんは迎えてくれましたが、不思議な事に50年をゆうに超えるブランクが一瞬で埋まるカンジでした♫。
今や彼女は、前述の河北美術展の招待作家であり顧問を勤めているにもかかわらず、個展は今回が初めてだとの事。
油彩画とは違う日本画の面白さを色々語ってくれたり、私が好きだった最初の入賞作は、実は彼女のおばあちゃんに捧げた作品であり、命のバトンあるいは循環もテーマのひとつだった事も語ってくれました。
絵を専攻したいという高校生だった彼女の熱意を、周囲の反対を遮って、強く支持してくれたのは今は亡きそのおばあちゃんだったとの事。
そして、自分の子供たちをモチーフに描いた作品も、実は命の循環を強く意識して描いてるとの事。
作品の中で子供達がさりげなく手にしてる卵や球根も、やはり生命の象徴なんでしょうね、きっと。
個展では、植物を描いた日本画がほとんどですが、和服に雑草や花をリキテックスで直接描いたものもありました。
(実際にそれを着て、街中を散歩してみたら…予想を超える評価だったとか…いいですね、女性って♫)
女流画家とフケーキなオヤジの3人で、話は尽きなかったんですが、途中彼女の同級生が集団で駆けつけ…凄まじきおばさまパワーに飲み込まれそうになり…そろそろ退出しようという事になりました(笑)
お互いの創作活動の継続を約束して個展会場を後にしましたが、
懐かしい友人との再会は、夏の終わりの実に楽しいひと時でございました♫
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