墨刻ART2025
Posted on 2025-07-23 by nakajima
ダイナミックな墨と巨大な筆のアート、原賢廖(けんりょう)氏が主催するアーティスト集団「墨刻」。
先月6月に「2025続・墨刻展 in FCCJ 日本外国特派員協会」が開催されました。
墨刻は、三千年前の古代中国の人々の生き様を背負った文字を題材としています。
このアートの集団を主宰する原 賢廖氏は、墨刻は時空を超越して、人間が生きることの本質
そして作家自身の人間の本質を探索するための鍵となる歴史的遺産だと語ります。
「殷の時代の甲骨文字が日本人の文化基盤のひとつを為す漢字のルーツであっても、墨刻が目指すものは、単なる東洋文化という地域的個性としての独創性ではありません。
人種や民族、国家、言語や宗教、習慣等を越えて、さらに時代を超えて、人間の感情を揺り動かす文字を現代の姿として描き出すことを目的とした視覚芸術です。」
墨刻とは、現代に繋がる古代文字を、個人の創造性を通じて探求するアート表現。
さらに原さんは語ります…「筆は刀、墨は刻み込むもの。古代文字を表現の題材とすることは、古代の人々の「人間のエッセンス」に触れることであり、自分自身の内包する宇宙と交流させること…。」
「筆は刀、墨は刻み込むもの。」とは、原さんが墨刻を始めて以来、ずっと柱にしてるコンセプトですが、はて、どういう意味で使ってるんだろうと私は思っているんですね。
殷の時代、動物の骨にいかにして文字が刻まれたかを調べてみると、おそらく玉や銅で作られた彫刻刀のような、いわゆる刀が使用されたのだろう…というのが一般的らしいのです。
そして、さらに現代の筆のようなものを使用して朱や墨で書かれたと思しき甲骨文字も発見されているとのこと。
もしかすると、原さんはそこに日本文化をイメージさせる精神性、武術や美として刀と墨という言葉を重ねたのかな…と私は勝手に思ってしまうのでした。
原さんとはしばらく会っていませんが、今度会った時はその辺のところを尋ねてみようと思っています。(いっしょに酒でも飲みながら…🎵)
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