黒沢映画に学ぶ構図と動き

多くの映画人やアーティストに影響を与えた黒澤明。
以前、黒澤作品の名場面を分析している動画に出会いました。いつか紹介したいと思っていたのですが、今回当サイトにリンクさせていただきます。
日本語のスーパーつきですので、どうぞ気軽に御覧ください。

ピクチャ 4http://digg.com/video/understanding-movement-in-composition-through-the-work-of-akira-kurosawa

 

『羅生門』『生きる』『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『用心棒』『赤ひげ』『影武者』等々の構図を取り上げ、その動きやカメラワークの素晴らしさを解説しています。

こんなところが賞賛の対象になるんだな、というプロが見た場面は興味深いものがあります。

 

 

ご存知のとうり、氏には多くのアーティストが影響されました。

『隠し砦の三悪人』などを土台にし、『スター・ウォーズ』の物語りを組み立てたジョージ・ルーカス…

『悪い奴ほどよく眠る』の、結婚披露宴から始まるという演出に感心して、ゴッドファーザーで採用した、というフランシス・コッポラ…
黒澤明を師と仰いでいると公言するスティーヴン・スピルバーグ…
「あなたがいなかったら、今の私はなかった」と黒澤明に感謝の言葉を告げたクリント・イーストウッド…
みんな有名な話です。

日本では手塚治虫が、黒澤映画のインターナショナルな人気の秘密を、
「まず日本人というわかりにくい被写体を、じつにわかりやすく面白く、しかも芸術的に観せることから始まったのだ」と結論づけ、「その表現方法が劇画や漫画の作者に大きな影響を与えた」とエッセイで述べています。

ピクチャ 8

 

また、かなり昔の個人的な黒澤体験で恐縮ですが…
40年近くなるでしょうか、アメリカの某大学の図書館に入った時、数多くの黒澤明に関する書籍が私の目にとびこんできました。日本では見たことのないくらいの種類で、しかもみんな分厚い書籍です。

ある学生は興奮気味に話してくれました。「こんど、7人の侍をここで上映するんだ!彼は偉大だ!!」

黒澤明監督はアメリカ文化にも大きな影響を与えたんだな、と感じたものでした。

改めて今、じっくり黒沢映画を観賞したいものです。
きっとそれは、すばらしい時間になるでしょう。

(中嶋)

ピクチャ 7