Kohya Aneha 姉歯公也
Posted on 2013-03-18 by nakajima
幼い頃いつか夢で見た景色を創る造形作家。ひとつひとつの作品に付けられたタイトルと詩は、ここではないどこか、安息の場所を求めてさまよう大人への「道標」となり、優しく穏やかな状態へと導いてくれる。
-私たちの関係-
3年後の同じ日あの小屋で17:00に。
12年後の3月30日正午、ここで。
30年後の今日、お互い元気だったらここで。
50年後…一ヶ月だろうが1年だろうがここで待っている。
100年…世界がどうなっていようがあなたと会いたい。
必ず願いは叶う筈。
2004年制作
-Shooting Star Hunter-
資質は忍耐力と反射神経。
それに高度な天文知識と分析力。
待つこと数カ月。
いよいよかと身の毛は総毛立つ。
この捕獲網に全てをかけた。
2011年の制作
-空中公園-
雲を下に見て以来、ここが気に入っている。
無駄と思ったこともあったがこれだけ造り上げた。
もう降りたくはない。
彼女を招待したのに、まだ来てくれてない。
来る方法が見つけられずにいるのだろうか。
かれこれ1年が経つ。
2004年制作
-化石の雲の海-
深い藻でおおわれ
遥かに続く化石の雲の海にたどり着いた。
化石の大気に満ち、
化石の水が流れ、
化石の生き物が化石の木々の間に遊ぶ。
無邪気に笑いあう子供達を見た。
旅を終えよう。
ここに住もう。
静かに朽ち果てたい。
2004年の制作
-私的戦略会議-
いろんな「あの頃」の自分が集まった。
逃げ場はいくらでもあったのだが、
私は席についた。
そして重要な会議は始まった。
2006年の制作
-運命的な仕事-
かすかに光る物を見つけた。
目的を見つけられないでいた私は
躊躇なくその光にひきづりこまれた。
そしてそれを育てることに夢中になった。
光る物が成長するにつれ
生きる方法を変えた。
今得体の知れぬ何事かを期待し世話を続けている。
2004年制作
-風の見える場所-
風の見える緑の真ん中に私は立つ。
私の好きな場所。
透明な緑の微粒子が身体中に満ちる。
いつも風を感じていた。
2005年の制作
仕込み水は先カンブリア期の化石水。
氷はエウロパからの届け物。
店主とはプレアデスの彼女の話で盛り上がる。
何のために生きるのか分からなくなったら、
137億年の奇跡を思えば良い。
-はつらつとする菜園-
「今日は種蒔き。鳥達が賑やかだ」
「雨の後畑を見にいったら芽が出てきてる♪」
「咲いた咲いた」
「暑いね。どんどん葉が生い茂ってきたよ」
「明日は収穫。その後宴会。おまえ、手伝いに来いよ」
…友の知らせに泣けてしまう。
2004年制作
【姉歯公也】
宮城県大崎市生まれ。
1984年東京芸術大学大学院工芸鋳金専攻終了食器・照明器具等の製品デザインやディスプレイデザインの仕事に携わる。
1989年よりフリー アネハデザインオフィス開設、造形作家として主に食器、照明器具等プロダクトデザインやディスプレイデザインなど立体造形の分野で活動。
1996年初個展、以降アネハネハ楽園国と題し、個展を軸にアート・ワークショップ等でも活動している。
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