BOK-KOKU 〜第1回墨刻展より〜
Posted on 2017-05-18 by nakajima
古代文字を題材として古代の人々のエッセンスに触れること。そして、自分自身のエッセンスを交流させ、自らの内面を掘り下げ、探求し、墨線によって表出させる…。それが墨刻家の原 賢翏(Hara,Kenryo)さんが主催する「墨刻」アート。
2月のある日、原さんより手紙が届きました。
「墨刻」の第1回展の案内状でした。
台東区の日蓮宗日限祖師 本覺寺本堂において開催された「第1回墨刻展」(3月26日~4月2日)より、作品の一部を紹介させていただきます。
(以下、第1回墨刻展案内状の文章といっしょに、作品を御覧ください。)
筆は刀、墨は刻み込むもの。
私たち日本人の文化のひとつである「漢字」の源流とされる、殷・周時代の中国古代文字。
その始原の姿はほとんどが物の形を抽象化したもの、またはその組み合わせで出来ています。
そこには、自然の畏敬の念、その過酷な生活環境や社会の有様、人間同士の素朴な愛情、またそれらに対峙する古代の人々の思念が、豊で伸びやかな造形感覚によって象徴化されています。
墨刻では、古代の人々によって記号化された文字の形状をたどるのではなく、その文字の象形のもととなる具象物をイメージし、それを記号化した古代の人々の思索・思念をたどります。
その上で、自分自身の思惟のもとに文字としての抽象化表現に挑戦してゆきます。

左から ( from the left.) 「香 / INCENSE」H140cm×W70cm 加藤萬晶 Mansho Katoh 「無上道 / A way of life that is as pure and gentle as ever」H180cm×W97cm 沖 放崖 ( Shinkoh Oki ) 「哲 / The mind that honoring god 」H140cm×W70cm 渡辺白游 ( Watanabe Hiroko ) 「射 / Shoot an arrow」H180cm×W97cm 園山絢上 Kenjyo Sonoyama 「音 / Sound」H140cm×W70cm 岡田敲音 ( Koichi Okada )
古代文字を表現の題材とする事は、古代の人々の「人間のエッセンス」に触れることであり、さらに自分自身のエッセンスと交流させることです。
そうして作者が表現したものは、作者自身の人間のエッセンスであり、それは観る人の内面に語りかける力を持っていると信じます。
”己が墨線を、見る人の心に刻み込むが如く”
発足から2年に満たない幼い集団ではありますが、私共の日々の挑戦に是非触れて頂けましたならば、幸いでございます。
(以上、第1回墨刻展案内状より)

「子 / CHILD」H38cm×W29cm 小林鹿泉( Reiko Kobayashi ) 「禀 / RIN」H35cm×W23cm 加藤萬晶 Mansho Kato 「逆 / CONVERSE」H35cm×W23cm 原 賢翏 Kenryo Hara

左から (from the left.) 「集門 / People are gathering with the same intention.」H35cm×W47cm 小林鹿泉 ( Reiko Kobayashi ) 「祈 / PRAYER」H23cm×W18cm 園山絢上 Kenjyo Sonoyama 「魂 / SOUL」H35cm×W35cm 原 賢翏 Kenryo Hara 「酒 / SAKE, alcoholic drink」H47cm×W35cm 沖 放崖 ( Shinkoh Oki )

左から (from the left.) 「學 / LEARN」H140cm×W70cm 功刀雙刻 ( くぬぎ かずゆき ) 「泉 / SPRING, FOUNTAIN」H180cm×W97cm 小林鹿泉 ( Reiko Kobayashi ) 「神 / GOD 」H140cm×W70cm 加藤 圜 ( Chikage Katoh ) 「鳳 / PHOENIX」H140cm×W70cm 沖 放崖 ( Shinkoh Oki )

左から (from the left.) 「學 / LEARN」H140cm×W70cm 功刀雙刻 ( くぬぎ かずゆき ) 「泉 / SPRING, FOUNTAIN」H180cm×W97cm 小林鹿泉 ( Reiko Kobayashi ) 「神 / GOD 」H140cm×W70cm 加藤 圜 ( Chikage Katoh )

「心 /HEART」H35cm×W23cm 渡辺白游 ( Watanabe Hiroko ) 「雷 /THUNDER」H35cm×W23cm 加藤 圜 ( Chikage Katoh ) 「子・子」H35cm×W23cm 功刀雙刻 ( くぬぎ かずゆき )

於: 日限祖師 本覚寺 (台東区松が谷) The 1st exhibition of “BOK-KOKU” / 25th March – 2nd April 2017 HONGAKUJI Temple, Tokyo. Photo: 秦 直樹 子鬼
私が始めて原さんの作品を実際に見たのは2013年、原さんの師匠である加藤光峰氏が主催する「亀甲展」でした。(夜のガード下、みんなで呑んだ酒はとってもうまかったです!)
直接作品に触れ、話を伺いたかったのですが、私のスケジュール調整がつかず行く事ができませんでした。今回の写真は、秦(Cooni)さんはじめ複数の原さんフレンズによる写真を使用させていただきました。心より感謝いたします。
(中嶋)
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